想い溢れて&ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日(8日)


ゴルフ日本シリーズJTカップ  プレーオフ

首位と2打差の5位で出た石川遼が「66」でプレーし、通算8アンダーで並んだブラッド・ケネディ(オーストラリア)とのプレーオフに突入。難関18番(パー3)で繰り返された3ホール目で、石川が左手前3mからのバーディパットを沈めて、ケネディを振り切り優勝した。
「あんな泥臭い人いるのかというくらい、へばりついていった」。石川遼は有言実行の勝ちっぷりに苦笑いを浮かべた。「自分のゴルフはきれいではない。楽しく、泥臭くやりたい」。勝利への執念を18番(パー3)に凝縮させた。
1打リードで迎えた正規18番(パー3)で5Iのティショットは右に出た。「左手前に乗せて、いい上りのパットを残して…」という思惑とは真逆。ラフから高速グリーンに向かって打ち上げ、ピン方向へ下っていく難しいアプローチが求められる。すぐに、通算8アンダーでホールアウトしていたブラッド・ケネディ(オーストラリア)とのプレーオフを覚悟した。同時に前を向いた。「よし、リベンジできる!」。1年前に敗れたプレーオフは18番の繰り返しだと知っているから、パーパットがわずかに届かなくても奮い立った。
1ホール目、また右に出た。バンカーか ら絶妙な寄せでパーセーブ。2ホール目も三たび右へ。それでも必死にパーを拾った。番手も風向きも変わらない。「なぜ(3回も)右に飛んでいるのか」。すぐに向き合って解決したくなる疑問は、いったん封印した。3ホール目、ピンはグリーン右サイドの、より奥側へ切り直された。4Iに持ち替えて左下2.5mに絡め、バーディで決着をつけた。
サンデーバックナインでパーは10番だけ。「優勝を意識した」という11番のバーディを含め、そこから8ホールで5バーディ、3ボギー。せわしなくスコアを動かしながら、勝負師の心が震えていた。「周りの選手の力というか、やっていてすごい楽しかった。いままでの優勝争いでも一番と言えるくらい、やっていてすごく楽しかった。(賞金王が懸かる今平)周吾と優勝争いができて、(ランク2位で同組の)ノリスも(上位に)いて、これ以上ない環境のなかで、日本ツアーのトップ選手のなかで争いができた」と少年のように笑った。
2010年以来のシーズン3勝で生涯獲得賞金は10億円を突破した。28歳2カ月21日での到達は、池田勇太の31歳8カ月26日を大幅に上回るツアー最速記録となる。「いままでの優勝とは、全く違う。また違う勝ち方だったというのは、また優勝したいという気持ちにさせてくれる。ただ、頭のなかで(プレー面で)引っかかっているところもある。課題と向き合いながら、来月のシンガポールオープンを迎えたい。『いまこうだから、あしたこうやってみよう』という気持ちが強いですね」。少しだけ達成感に身をゆだねながら、未来を見据えた。(東京都稲城市/亀山泰宏)